第１期 第二章 救国の朱き翼
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第二章 一話 禁忌の兵器
白虎軍は
朱雀が同盟要請を送った国家
【ロリカ同盟】、通称【玄武】に向け－
大量破壊兵器【アルテマ弾】を投下
これにより700年の歴史を持つ国家が
オリエンスの大地より、その姿を消した
【シド】
……アルテマ弾は期待以上の成果をあげた。
お前も設計者として、鼻が高いだろう。
【白虎軍科学者】
非戦闘員ごと敵を吹っ飛ばして、喜べるわけないだろ。
それに投下者に、ルシ・クンミを使うなんて……
魔導院強襲失敗の責任を負わせたってわけか？
【シド】
アルテマ弾投下は私の意思だが、
投下者はルシ・クンミ自身の意思だ。
玄武領は、我が国の首都に隣接している。
玄武が朱雀と手を結んだら、何かと厄介。
ならば先に玄武を潰すことで、
戦局をリードすべきと言ってな。
【白虎軍科学者】
……！
【シド】
ルシ・クンミは我らが理想を叶えんと身を尽くしたのだ。
お前もオリエンス統一のため、力を振るえ。
【白虎軍科学者】
……わかったよ、やるさ。
すべてはあんたの望みのために……
－－白虎の元帥シド・オールスタインは、
オリエンス統一のさらなる一手を進めていた
朱雀正規軍は白虎の進軍を食い止めるべく、
国を挙げて【対白虎戦争】を開始
またそれに呼応するように、
軍の指揮下に入った候補生たちも各地で奮戦
祖国のため戦うその姿は
まさに救世主－－【アギト】であった
第二章 二話 終末を避けるために
朱雀からの同盟要請を受けていた
【蒼龍】政府は、これを受諾
かくして朱雀・蒼龍同盟が締結された
さらに【アルテマ弾】を搭載する新型魔導アーマー
【ブリューナク】の情報を入手した朱雀政府は－－
候補生に【ブリューナク】製造工場への潜入と
【アルテマ弾の奪取】作戦を命じた
【エース】
アルテマ弾を奪い、持ち帰れだって？
朱雀政府－－八席議会は何を考えてるんだ？
【ミユウ】
ああ。朱雀・白虎の両国がアルテマ弾を持てば、
戦力的に均衡を保てるとの考えからだ。
しかし、ただでさえこの緊迫した戦況下で、
互いに自制などできるのだろうか？
ひとたび撃ち合いになれば、
それは国土の滅ぼし合いを意味する……
万が一にもどちらかが撃てば、世界が滅びかねない。
そうなれば【フィニス】の到来だ。
【エース】
フィニス……神話に記されている、世界の終末か。
【ミユウ】
ああ、そして【アギト】はその終末から
人々を救う救世主だ。
僕等アギト候補生としては、議会の意向に従い、
アルテマ弾を奪うのも正しいかもしれない。
だが道はもう一つある。
議会を説得してでも、その意向を変更させ－－
アルテマ弾を【破壊】し、
終末を招く兵器を根絶するという道が。
【エース】
……どうする、総代？
それは朱雀の未来を分ける選択になるかもしれないぞ。
【ミユウ】
僕の一存で決めるべきことではない。
ここは候補生の皆で【決断】しよう。
命令どおりアルテマ弾を【持ち帰る】か、
僕等候補生の手で、アルテマ弾を【破壊する】か……
第二章 三話 救世主を目指して
候補生による
【ブリューナク製造工場潜入作戦】の決行日－－
【ミユウ】
アテンション！
此度の作戦は、候補生による
【ブリューナク製造工場潜入作戦】だ。
……だが作戦の目標は、
先日の議会の発表と異なる。
オリエンスの未来のため、
僕等は作戦内容の変更を決断した。
僕等は工場で、ブリューナクを破壊して
アルテマ弾を【奪う】のではない。
搭載する兵器と、製造する工場、
ともにすべてを破壊しつくす！
そうして世界を脅かす悪魔の兵器、
【アルテマ弾】を根絶するのだ。
責任は僕が持つ。
諸君は心置きなく、己が正しいと思う道を歩んで欲しい。
これは戦乱の時代に終止符を打つ救世主－－
【アギト】を目指す者としての真の戦いだ。
正義は我等にある！
我等に、クリスタルの加護あれ！
第二章 四話 それぞれの使命
【白虎軍科学者】
まずいな。候補生が工場をどんどん制圧してる。
相当、厳しい状況だ。
候補生の戦力が、想定を上回ってたってことか……
逆転の一手を打たなきゃ、ウチはジリ貧になっちまうぞ。
【クンミ】
しっかりやるんだな。
お前にはシド様に育ててもらったご恩があるんだろ。
【白虎軍科学者】
ルシ・クンミ！？
あんたどこに行くつもりなんだ！？
【クンミ】
シド様の命を受けてね。
『逆転の一手』を打ちに出るのさ。
朱雀の守りは堅いが、蒼龍の防衛は手薄だ。
その隙に、私が－－
【白虎軍科学者】
なに……？
まさかあんた、蒼龍にもアレを？
よせ、そんなことしたらあんたも無事じゃすまないぞ。
玄武へ投下した時に負った傷が、まだ癒えてないのに－－
【クンミ】
これは白虎クリスタルの意思でもあるんだよ。
先ほど【命を賭して、蒼龍を討て】との使命が下された。
忌々しい話だが、クリスタルとシド様の意思が一致した。
だったら私は、それを叶えるまでさ。
【白虎軍科学者】
っ……！
【クンミ】
だから私のことは、もういい。
お前たちは、自分の戦いをしろ。
【ブリューナク】で候補生を殲滅するんだ、いいな？
【白虎軍科学者】
……あぁ。
【ミユウ】
アテンション！
本作戦におけるターゲット、
超大型魔導アーマー【ブリューナク】を発見。
通常、白虎において運用される魔導アーマーの
数十倍の大きさを誇る、化け物級の機体だ。
総員、全兵力をもって討伐にあたれ！！
第二章 ブリューナク討伐
討伐成功
第二章 五話 彼の名はリーン
【エース】
……ふぅ、これで任務は完了だな。
【ミユウ】
ああ、それじゃ魔導院に帰ろう。
【白虎軍科学者】
よう、候補生。
【ミユウ】
誰だ！ 白虎の兵士か！？
【白虎軍科学者】
そう熱くなるなよ、俺は一介の科学者だ。
お前たちと戦いに来たわけじゃない。
一つ教えておきたいことがあってな。
お前たちはアルテマ弾を、すべて破壊したと
思ってるだろ？
悪いが、破壊前に一発だけ持ち出させてもらった。
そしてそれはルシ・クンミの手で、蒼龍首都に運ばれた。
【エース】
なに！？ どういうことだ！？
【白虎軍科学者】
彼女は逆転の一手を打ちにいったんだよ。
自分の命と引き換えに－－
元帥の理想を叶えようと－－
【ミユウ】
っ！？
カリヤ議長からの緊急通信！？
【カリヤ】
全候補生に緊急通信です！
たった今、蒼龍の首都にアルテマ弾が投下されました！
ただちに魔導院に帰還してください！
繰り返します、たった今蒼龍の首都に－－……
【ミユウ】
バカな……！
お前たち、蒼龍にもアルテマ弾を！？
【白虎軍科学者】
ま、そういうことさ。
そしてここからが、戦いの第二幕だ。
また会おうぜ候補生、今度は戦場でな。
【エース】
待て、お前は一体……！？
お前、何者なんだ！
【白虎軍科学者】
俺か？
俺の名は、【リーン・ハンペルマン】。
お前たちと同じ、
【アギト】を目指す者だ。
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